JARL の令和元年度事業報告が発表されています。
その中で、2020 年 3 月時点の JARL 会員数、年齢別の構成などが公開されています。
【hamlife.jp】で、わかりやすくまとめてくれています。
やはり、特徴的な傾向は年齢別の構成だと思います。
ここまで偏ったグラフを目の当たりにすると、いやいや...
自分自身は、現在 62 歳( 2020 年 5 月時点)ですから、グラフの中ではほぼ中心部分にいることになります。
それにしても、ここまで高齢者の多い集合体が他にあるでしょうか?もちろん、JARL 会員数の構成ですから、アマチュア無線人口の構成を表しているものではありませんが、おそらく傾向は近いのだと想定できます。
個人的には、無線の運用の約 9 割が CW なので、あまり相手の年齢、性別など実感することが少なく、こういう図を見ると改めて驚きが隠せません。
前述の【hamlife】の記事の中には、5 年間の推移も出ています。増えているのはやはり高齢層ばかりで、他の世代は減少するばかりです。ここでも、会員数は増えることなく、既存会員が経年、継続で推移しているだけの状態が理解できます。
いずれにしても、正常な組織、団体を構成している状態でないことは確かだと思います。
さらに、QSL カードの転送状況が公開されているのですが、ここでも気になることがあります。
月平均で、約 79 万件のカードを取り扱っているようです。単純には計算できないと思いますが、会員数約 6 万とすると、一会員あたり約 14 枚/月のカード数になります。個人的には、ちょっと少ないように感じます。ちなみに、先日 4 月末に届いたカードは約 500 枚でしたので、かなり偏りがあるのだと思います。
いずれにしても、毎月このカードを扱うのは作業量、経費とも膨大なものがあります。費用の詳細内訳を見ると、「QSL 費」は年間で約 7,600 万円です。経常費用の合計が約 4億 5,000万円ですから、全体の 17 %を占めることになります。
これを少ないと思うか、多いと思うかは意見の分かれるところだと思います。
取り扱いカードのデータで「非会員枚数」というのが気になっています。毎月、約 5 %は非会員局のカードが取り扱われていて、数にすると約 4 万枚だそうです。
これは無駄というか、もったいない労力(経費)、貴重な資源が費やされていることになります。
あと、国内転送枚数はわずかに減少傾向が見られるのですが、外国転送枚数が増加していることに驚かされます。特にここ最近、2020 年になってからは、それまで 5万枚/月程度だったものが急に 10万枚/月を超えています。3 月にいたっては 32万枚/月となり、国内転送枚数の 60万枚/月と比べても、決して少ないとはいえない数になっています。
デジタルモード、主に FT8 の人気で、国外交信が増えたことが要因と思われますが、これでは、今後さらに QSL 取り扱い経費が増加するように思われます。
前述の JARL 非会員枚数と同様、国外局の中には BURAEU 経由のカード交換は行っていない方が多く存在します。
QRZ.COM あるいは ClubLog で確認すれば BURAEU 経由の交換可否はすぐにわかります。
個人的には、国外局とは LoTW での相互CFM を基本に、QRZ.COM や ClubLog で BURAEU 交換が可能であることが確認できればそれを利用します。
あと、記念として入手したい局は SASE / ダイレクトでリクエストしますが、これも ClubLog で受付ている場合は、郵送でなく PayPal でオンラインで要求できますからとても便利です。
あくまで私個人の見解、希望ですが、QSL カードは国内/国外とも特別な交信時以外は、廃止する方向で標準にならないか期待しています。
長い歴史のあるアマチュア無線の中で、QSL カードは大きな特徴的なもので、これを全否定する気は全くありません。ただ、時代の流れの中で変わっても良いものもあると確信しています。